脳腫瘍

髄膜腫・神経膠腫・下垂体腫瘍・聴神経腫瘍・眼窩内腫瘍・頭蓋底腫瘍・小児脳腫瘍
 

脳腫瘍は一般には頭部にできた腫瘍全般を意味することが多いため、非常に多くの種類の腫瘍性病変が含まれています。したがって腫瘍の部位やその性質により、各々、治療法が異なるため、診断から治療、経過観察の方法や時期までを考慮した対応が必要になってきます。具体的には、開頭し根治的摘出のみで治療を終了できるものから、鼻腔からの内視鏡操作などの特殊な手技が適切なものもあります。また脳神経外科学での取り扱い範疇にありながら、外科的治療がむしろ不適切で化学療法や放射線治療が著効するものも少なくありません。

したがって、その治療方針の決定には、担当医に専門性の高い知識と技術が必要とされるのみならず、施設全体で積み重ねられたチームとしての経験が不可欠です。
当科の治療は、外科的介入ありきでなく、おひとりお一人の病態に合わせた医療を専門スタッフがそれぞれの角度から検討しご提示していいます。

脳血管疾患

脳動脈瘤・脳動静脈奇形・脳血管狭窄・虚血性疾患・もやもや病
 
当科では脳血管中疾患に対しては血管内治療を first treatment としており、脳血管内治療黎明期より、脳神経外科学教育を受けた医師が、病院の枠にとらわれずにすべての関連病院での脳血管内治療を引き受けるシステムを構築し、現在ではトップレベルの技術を習得した専門医師団が24時間365日脳卒中治療にあたっています。

神経機能外科

正常圧水頭症、てんかん、顔面けいれん、三叉神経痛、パーキンソン病、難治性疼痛、痙縮、不随意運動
 

日本有数の治療実績のある当大学脳神経内科との連携によるパーキンソン病に対する手術療法、小児・成人を問わず対応可能なてんかん外科、脊椎・脊髄疾患、疼痛関連疾患、三叉神経痛・顔面けいれんに対する微小血管減圧術などの経験は当院の手術総数の一割を超えており、十分な経験の蓄積があります。また当講座研究部門の成果として、診断困難であった正常圧水頭症を正確に診断する技術と局所麻酔下での髄液短絡術によりご高齢者の軽度認知症、失禁、歩行障害の改善が得られ、多くの患者さんやご家族からお喜びいただいております。

脊椎・脊髄外科

脊髄腫瘍、椎間板ヘルニア、脊椎症、脊髄腫瘍、脊髄空洞症、脊髄損傷、坐骨神経痛、脊柱管狭窄症
 
脊椎・脊髄疾患に対する治療のニーズは年々高まっています。当科では脳疾患だけでなく、脊髄疾患に対しても積極的に治療を行っています。

小児脳神経外科

小児脳腫瘍・水頭症・二分脊椎・頭蓋骨縫合早期癒合症・頭蓋脊髄における先天奇形等
 
当科では講座設立時より新生児・乳児を含めたあらゆる小児脳神経外科疾患の診断と治療にも迅速かつ積極的に対応できるよう医師教育がなされており、あらゆる小児脳脊髄疾患に対応が可能です。特に小児脳腫瘍、小児てんかん外科(スタージウェーバー症候群を含む)、小児血管障害に加え、水頭症、頭蓋骨縫合早期癒合症、二分脊椎症といった疾患は全国有数の症例数を有しています。小児脳神経外科はチーム医療を特に強く必要とする分野であり、診療科間の垣根の低い当院では迅速に関連する診療科と連携しながら治療にあたっています。