教授ご挨拶
代謝内分泌内科学教授
糖尿病内分泌内科長
綿田裕孝
当教室は、1994年に誕生した比較的新しい診療科です。河盛隆造(現順天堂大学特任教授)が初代教授を務め、2010年から綿田裕孝が2代目教授を務めています。
当科の対象疾患は、糖尿病をはじめ、低血糖症、甲状腺疾患、脳下垂体疾患、副腎疾患、副甲状腺疾患、尿酸代謝異常、脂質代謝異常等広範囲に及びます。このような疾患をお持ちの方に最善の医療を提供できるよう、28人の糖尿病専門医4人の内分泌代謝専門医をはじめ、医局員一同、日々努力しております。
特に、当教室が診療面、研究面で力を注いでいる疾患は糖尿病です。現在、全世界に4億人超存在する糖尿病患者は、放置しておくと、血管合併症を主とする様々な合併症を来し、死亡率の増加、QOLの低下を招きます。この糖尿病治療における本当の主治医は患者さん自身です。当科では、まずは糖尿病患者さんに食事療法、運動療法を実践して頂けるよう糖尿病教育に重点を置いています。そして、必要に応じて現状で最善のインスリンを含めた薬物療法を提案します。
糖尿病の主な病態はインスリンを産生する膵β細胞の機能不全および、インスリン作用を受ける肝、および骨格筋におけるインスリン抵抗性です。当科では、膵β細胞機能不全の病態解明、インスリン抵抗性の病態解明、血管合併症の病態解明の基礎的研究を行い、将来的には患者さんの治療法の改善につながる知見を得たいと考えています。また、患者さんの治療向上に直結する食事療法、運動療法、薬物療法に関する臨床研究を行っております。
糖尿病、内分泌疾患の医療を将来に渡り担う人材を提供できるように、当科では医局員教育に力を入れております。まずは、患者さんを慈しみ、思いやる心をもつことを第一とし、診療に必要な知識や技術に関する医局員教育は屋根瓦方式をとっています。これは、自分がわかった雰囲気になっているだけでは得た知識は不十分であり、自分の得た知識を後輩に十分に伝授することができて、初めて、十分な知識があるのだという概念に基づいています。また、この教育法は、糖尿病診療に重要な患者教育にも威力を発揮します。
以上、多くの患者さんに対して質の高い医療を提供出来るよう医局員一同努力を続けて行きたいと思っております。
診療科概要
当科の対象疾患は糖尿病をはじめ、低血糖症、甲状腺疾患、脳下垂体疾患、副腎疾患、副甲状腺疾患、尿酸代謝異常、脂質代謝異常等広範囲に及びます。すべての内分泌代謝疾患に専門的に対処するために、28人の糖尿病専門医、14人の内分泌代謝専門医が最新の知識をとり入れながら最善の診療の実践を目指しています。
また研究面では、糖尿病や甲状腺疾患の病態を解明し、患者さんのQOL(生活の質)が少しでもよくなるような治療法を開発することを目標に日夜、臨床研究・基礎研究に励んでいます。
外来診療
糖尿病・内分泌内科では、主に糖尿病、高脂血症、高尿酸血症等の代謝疾患および、甲状腺疾患、副腎疾患、下垂体疾患等の内分泌疾患を診察しております。初診患者さんは、基本的に初診外来を受診していただいた後に、疾患の種類や、患者さんの都合やご希望を考え、2回目からは、それぞれの患者さんに相応しい外来担当医が診療にあたる方針にしております。当科では、特に、糖尿病の診療を得意としております。
入院診療
総回診
毎週月曜日には、在院医局員が揃い、個々の入院患者さんの症例を協議し、その後、病棟の回診を行います。
カンファレンス
内分泌疾患に関しては、随時「症例検討会」を開催し、診断・治療について検討が必要な症例について協議が行われます。
糖尿病一週間教育入院
糖尿病は、長年付き合っていかなければならない病気です。将来、合併症が発症するかどうかは、この付き合い方次第とも考えられます。そのような事実を考えますと、糖尿病と診断された早期に、糖尿病のことをじっくり学ぶ機会を得ることが重要です。当科では、そのような方のために糖尿病一週間教育入院を行っています。具体的には、毎週金曜日に入院、翌週木曜日退院とさせていただいています。
糖尿病土日教育入院
糖尿病教育のために、上述した1週間教育入院を行ってまいりました。しかし、働き盛りの患者さんのなかには、1週間も時間がとれないというかたがいらっしゃいます。そこで、糖尿病一週間教育入院の短縮版として、土日教育入院を行っています。具体的には、毎週土曜日に入院、翌日日曜日退院とさせていただいています。
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