講演1:「乳がん検診~自分にあった検診方法を見つけよう~」

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質疑応答

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健診で見つかった所見(良性)が、がん化する可能性・確率はどのくらいでしょうか。
超音波検診でよく指摘される良性のしこりの代表として、線維腺腫が挙げられます。線維腺腫内に乳がんが併存する報告はありますが、その頻度はとても低く、0.12-0.29%との報告があります。
増殖のタイミングで発見できない理由を教えてください。
画像検査を用いた検診では、ある程度がん細胞が増殖しないと画像で捉えきれません。急速な増殖スピードで増大する腫瘍では、検診のタイミングがずれると発見できないこともあります。
授乳期の乳がん検診は、何か症状があれば受けるべきでしょうか。
授乳期乳腺は、視触診や画像検査でも所見がわかりにくい傾向にあります。症状がなければ、授乳が終了し、乳腺の張りが落ち着いたタイミングでの検診受診をお勧めします。授乳期に限らず、しこりが触れるなどの自覚症状を認めるときは、検診の機会を待つことなく、速やかに乳腺疾患を専門とする診療科(乳腺外科等)を受診することが重要です。
マンモグラフィーは、痛みが強いのでつらいです。今後何か別の方法に変わる可能性はありますか。
乳房専用PET検査(PEM)など新たな検査技術がありますが、まだ検診での検証データはありません。
検診受診率に任意型検診(会社の集団検診等)も含まれるのでしょうか。また、任意型検診のデータはあるのでしょうか。
厚生労働省の国民生活基礎調査に基づく検診受診率のデータでは、任意型検診受診数も含まれています。
乳がん検診は、何歳まで受けたほうが良いですか。また、毎年受けたほうが良いですか。
がん対策基本計画では、受診率対象の算定が 40~69 歳と設定されましたが、現状では市区町村により年齢の上限が異なります。今後高齢化社会に向け、検討が必要と考えます。また検診の頻度は、対策型検診では2年に1度の検診間隔が推奨されておりますが、以前の検診結果の内容によってはこの限りではありません。
質の高い検診の具体例を教えてください。
科学的根拠に基づいた検査法と精度管理が根底にありますが、画一的な検診でなく、年齢や家族歴など個々に応じた検査方法の選択が重要です(例えば、乳腺の濃度が高い(高濃度乳房)方に対するUS併用検診など)。
検診を行う医師によって、検診結果の違いはあるのでしょうか。
画像検査結果判定は通常精度管理委員会の認定を得られた医師により行われています。客観的に検診結果を評価できるよう、カテゴリー分類を用いて判定しています。
早期発見の定義を教えてください。受診してからどのくらい(期間)で見つかれば、早期と言えるのでしょうか。
乳がんの場合はステージ0期(非浸潤がん)とⅠ期を早期がんと定義します。0期は100%、Ⅰ期なら約90%の5-10年生存率が期待でき、早期発見が極めて重要とされます。
現在、対策型検診では、マンモグラフィーのみが原則となっていますが、超音波(US)を導入すべきだと思いますか。
日本における超音波併用乳がん検診の研究結果(JSTART)を考慮すると、年齢や背景乳腺濃度等によっては必要になるのではと考えています。

講演2:「恥ずかしがらずに受けよう・勧めよう子宮がん検診」

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質疑応答

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子宮がんが若年化したのは、なぜでしょうか。
初交年齢の若年化が原因です。
検診をもっと簡素化する技術はないのでしょうか。
自己採取した子宮頸部細胞を診断するキットがあるようですが、自己採取で適切な部位から採取できているかは不明ですので勧められません。現状の方法がベストと考えられています。
ワクチン接種は、どこの病院でも可能ですか。
事前に電話で確認してから受診することをお勧めします。
男性にワクチン接種という話は、初めて聞きました。男性にも副反応はあるのでしょうか。
副反応の多くが局所反応で、接種部位の疼痛や発赤などです。
「子宮がん検診」は、子宮頸がん検診のことを指す、とのことですが、「子宮体がん」の定期検査はありますか。
子宮頸がん検診のオプションとして、子宮体がん検診をカバーしている自治体もありますが、子宮体がん単独での定期検査はありません。
60歳代で不正出血があり受診。結果は、生理が上がっても出血はたまにある、と言われました。がんを疑う必要はないのでしょうか。
閉経後出血は様々なものが考えられます。自己判断せず婦人科受診をしてください。
閉経後出血は、どのような症状(量や色、等)なのか、詳しく教えてください。
出血は赤、赤褐色、茶色など時間の経過ともに変わりますし、量が増えたり減ったりして一定ではありません。いつもと違うと思ったら婦人科受診してください。
子宮がん検診は、何歳まで受けた方が良いでしょうか。毎年受けた方が良いですか。
日本では上限はあませんが、65歳まで検査を行って異常が指摘されなければ、必要ないと考えます。2年に1回の受診してください。
子宮頸がんは、ウィルス感染から起こるそうですが、パートナーの性感染症(HPV)から感染するのでしょうか。
その通りです。
ヒトパピローマウィルス(HPV)に感染しているかどうかの検査はできますか。また、感染していなくても、毎年の検診は必要でしょうか。感染していなければ、がんは発生しないのでしょうか。
検査はできますが、自費の検査となります。HPV感染していない場合は、アメリカなどのように3-5年毎の細胞診検査でもよいかもしれません。ほとんどの子宮頸がんはHPVが原因です。
日本での子宮頸がん検診の場合、がん検診と同時にヒトパピローマウィルス(HPV)の感染の有無も行っているのでしょうか。
自治体によっては行っているところもあります。
市町村で実施している子宮がん検診は、子宮頸がん検診だと聞いたことがありますが、子宮頸がんが若年層に多いならば、年齢が高い人にとっては、この検診だけでは不十分ということでしょうか。
年齢が高い人にとっても、この検診だけで十分です。
出血があったらすぐ婦人科へ、という話でしたが、出血があってからで間に合うのでしょうか。
出血の原因は様々です。がんだけが出血するわけではありません。自己判断せず婦人科受診をしてください。
自覚症状(少量のおりものが2週間以上続いていた)があり受診したら、子宮体がんと診断され、子宮全摘出手術をしました。手術後、再発予防の為に化学療法を1ヶ月毎に6回予定しています(一泊入院して6時間の点滴治療)。12月で3回目が終了しました。副作用として、手足のしびれ、歩行困難、口内炎、しゃべるのも食べるのもつらい等々の症状があり、このまま続けたほうが良いのか、やめたほうが良いのか悩んでいます。なにかアドバイス等あればお願いします。
主治医の先生とよく相談してください。セカンドオピニオンを聞きに行くことも一つです。