順天堂大学医学部附属順天堂医院
診療科・部門
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がん治療センター
患者さんとご家族を支援するプログラム
公開講座での質疑・応答
第13回市民公開講座
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Index
講演1
講演2
講演1:将来母になるために~妊孕能温存のための卵子・卵巣凍結~
こちらから公開講座の映像をご覧いただけます
第13回市民公開講座 講演1
質疑応答
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術後妊娠した場合、がん患者であった母体のがん細胞の遺伝子を受け継ぎやすいのでしょうか。
難しいご質問だと思います。ただ、遺伝性のがんであるかどうかが問題だと思います。その方が、がんであったかどうかが問題ではなく、母の遺伝子の半分は子に引き継ぐわけですから、資質や体質は、受け継ぐことになると思われます。ただし、それは、凍結保存とは直接関係はないこととなります。
卵巣凍結と、凍結した卵巣を体内に戻す治療にかかる費用はどの程度でしょうか。
保険外ということですが、トータルでいくらかかるのでしょうか。
卵子保存、卵巣保存の費用はどの程度でしょうか。保険適用はありますか。
現時点で、この治療法には、医療保険が適応されません。よって、自費の診療となっております。順天堂においては、全身麻酔下の2泊3日の腹腔鏡下手術で卵子・卵巣ともに凍結保存した場合、2年間の保存期間を含めて、約80万円になると思います。
移植に関しては、通常の腹腔鏡下手術に準じた自費治療に換算し、50万円ほどで行っております。
凍結した卵巣はどの程度(期間)有効でしょうか。
物理的な保存可能期間は、千年を越えます。例えば、すでに海外では一般的に行われている卵子提供の場合、ホルモン補充を行えば、閉経後でも妊娠は可能となります。しかしながら、私達の倫理委員会の規定では、ご本人のご年齢が、通常の妊娠が難しい年齢に達した時点で、卵子・卵巣は廃棄させていただくこととしております。
生殖医学会では、45歳ほどまでにするべきである、という意見があります。
家系的にがん家系の場合、一定年齢の時(25歳ぐらい)で保存は出来るのでしょうか。
理論的には可能ですが、私達の倫理委員会の規定では、あくまで、「化学療法や放射線治療の副作用により卵巣機能の廃絶が予測される患者」を対象としております。
卵子・卵巣凍結は、がんの部位に関わらず可能なのでしょうか。
化学療法や、放射線治療の副作用による卵巣機能廃絶回避のために行いますので、それに該当すれば、部位に関しての制限はありません。しかしながら、卵巣がんなど、卵巣そのものに悪性腫瘍細胞が混入している場合は、難しいと思われます。
全身性の疾患では卵子・卵巣凍結をするほうが良いとのお話でしたが、それは膠原病のSLEにも適応するのでしょうか。
卵巣機能に影響を及ぼすような化学療法を行わなければならない疾患であれば、SLEなども適応となります。
健康な女性が安全に出産を臨める年齢を教えてください。(がん治療は数年から十年間くらいかかるため)
35歳以上は、高年妊娠となるため、理想的にはそれまでご出産すべきでしょう。ただ、治療期間を考慮した場合は、それは非常に難しいと思われます。遅くても45歳までには出産を終了できればよいのではないでしょうか?
妊孕能温存したがん女性が、妊娠する時に考えるべきリスクはなんでしょうか。(例えば、ホルモン依存症のがん女性の場合)
乳がんなど、ホルモン依存性疾患の場合のことを想定されているのだと思われます。治療経過にもよると思われますので、原疾患の担当医と相談し、慎重に対応させていただくようにしております。
現在子宮筋腫手術の為、ホルモン治療中。卵巣凍結を治療前に希望したかったが未婚では難しい(受精卵凍結のため)と言われました。現在も未婚で40歳を超えてしまいました。妊娠の可能性を信じて筋腫の手術を受けることにしましたが、卵子凍結をお願いすることは可能でしょうか。
卵子・卵巣凍結は40歳でも希望すれば可能でしょうか。年齢制限はありますか。
生殖医学会では、40歳までに凍結保存、45歳までに使用すること、とされております。残念ですが、40歳を超えてしまった場合、凍結自体は可能かもしれませんが、妊娠の能力が著しく低下していることが予想されるため、残念ながら、妊娠・出産に結びつかない可能性が高くなります。
化学療法開始(1回)後でも治療は可能でしょうか。
使用された治療薬の種類にもよりますが、化学療法薬の容量依存的に卵巣機能は低下するため、一度のみであれば、十分機能が残っている可能性もあります。採血(AMH)などの検査を行い、機能が残存しているようでしたら、積極的に保存すべきと思います。
講演2:がんと就労~病気を治療しながら働く~
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第13回市民公開講座 講演2
質疑応答
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休暇制度にについて、厚生労働省との連携はどのようになっていますか。(病気休暇制度の充実、労働基準法の改正も必要だと思います)
私傷病による休業(傷病休暇)は法令に基づくものではなく、各企業の就業規則や労働協約によって定められていて、内容は各企業によって異なっています。私傷病による休業の場合、まず有給休暇を全て使ってから傷病休暇に入る制度の企業が多いようです。また有給休暇に関しては、労働基準法に定められている日数よりも多くの日数を付与している企業も多いようです。
患者の就労の相談窓口として医師以外に病院において期待される機能はどのようなものが考えられるでしょうか。(例えば、社会保険労務士や産業カウンセラー等)
現在、多くのがん拠点病院ではがん患者さんの治療や生活について相談に対応するための「がん相談支援センター」を設置しています。その相談員の方に就労問題についても相談することができます。
また、一部の社会保険労務士の方々ががんをはじめとした労働者の健康問題に積極的に取り組んでいらっしゃいます。勤めている職場が社会保険労務士と契約していればその方に相談してみてもいいかもしれません。
産業カウンセラーは職場における悩みの全般の相談にのってくれます。産業カウンセラーを中心としたEAP(社外相談窓口)と契約している職場も増えてきています。仕事と治療の両立に悩んだ際は、そのような場所で相談するのもいいでしょう。
がんの治療で入院、手術をし、病気は改善したけれども、その後うつ状態になることもあると思います。復帰前のメンタル的な部分は、一般的にはどこでフォローしてもらえるのでしょうか。
がん拠点病院には、がん治療に関連する精神の健康問題をフォローするための精神腫瘍科が併設されていることも多いため、一度治療医にご相談ください。また一般の精神科、心療内科でも対応は可能ですので、困ったことがあればお近くの医療機関にご相談ください。
がんと診断がついてから治療となりますが、診断がつくまでにも病院に行かなければなりません。診断前の検査等で仕事を休む際、職場に対してどのようにしたら良いのでしょうか。
長期の休業が必要な治療開始後とは異なり、治療開始前は半日から数日単位の通院が必要な場合が多く、有給休暇を利用して通院をしている方が多いようです。
通院開始からどの時点で、職場に病気のことを伝えるかは非常に難しい問題です。もちろん診断前に正確な病名を職場に伝えることはできませんが、検査や受診などで頻繁に職場を抜けることが必要な場合は、上司(管理監督者)に相談することも必要かもしれません。職場の健診などで見つかった場合には、その二次検査のために通院する必要がある旨を伝えるといいでしょう。
患者側から事業所へ正確に申告するのは難しいと思います。医師が診断書の作成時、復帰する際の注意事項を詳細に記入することが必要ではないでしょうか。(また、事業所側からの照会について、医師が対応する際は、本人同意の上患者の就労状況を事前に把握しておく必要があると思います)医師はどこまで対応可能でしょうか。
職場復帰時の注意事項を医師が診断書などに記載をすること自体は可能ですが、医師が医療機関以外の職場環境を知る機会が少ないことも事実です。あまり現実とかけ離れていたり、細かすぎる内容だと、職場側が配慮を実践することが難しいかもしれません。
まずは患者本人が受診の際に自身の就労状況を医師に伝え、その上で職場でどの様な配慮が必要かを相談する必要があるでしょう。
産業医は、月にどのくらいのペースで企業へ出向いているのでしょうか。相談時間・費用はどのくらいでしょうか。
常時1000人以上の労働者を雇用する事業場では、産業医が常駐していることが一般的です。また、常時50人以上の労働者を雇用する事業場では産業医を選任する義務があります。事業場と産業医の契約内容にもよりますが、1ヶ月に1回の頻度で訪問することが多いようです。相談時間については産業医の他の活動との調整もあるため、通常産業医の窓口であることが多い人事・総務の担当者にご相談ください。一般的には社員の個別の相談について費用は不要です。
社会保険労務士です。就労問題を考える時、安全配慮義務について会社としてはどこまで配慮すべきか、配慮できるかが一番問題だと思います。具体的なアドバイスをお願いします。
がん患者が病気を原因として職場で事故を起こしてしまうような状態になることはとても稀です。また業務が原因で病気の進行が早まることも一般的にはありえません。
したがって職場側が果たすべき安全配慮義務は「働きながら治療を継続する妨げにならない環境を作ること」や、「業務によって、病気そのものや治療の経過で起こりえる合併症による症状を増悪させないこと」などです。具体的には治療のための通院時間の確保をしたり、治療の合併症として起こる倦怠感(体のだるさ)を緩和するための休憩室を設置したりすることです。
しかし職場側でできる一番の支援は、「病気になっても働ける」、「必要な配慮はできる範囲で実施する」という姿勢を社員に周知することであると考えます。
主治医の先生に仕事のことを相談しても良いのでしょうか。
ぜひ、相談してください。
がん治療の専門家たちに対しての意識調査では、「治療による仕事への影響を説明すべき」と回答した医師の割合が93%でした。
ただし、医師は治療の専門家であり医療機関以外の職場の状況についてはあまり詳しくないことが一般的です。したがって漠然とした質問は避け、自分の職場の状況についてできるだけ具体的な質問ができるとより具体的なアドバイスがもらえるでしょう。
主治医の話(治療や病気に関すること)を正しく会社へ伝える自信がありません。主治医の先生にわかりやすく文書などにしてもらう事は可能でしょうか。
まずはそのことを治療医に相談してみてください。診断書などに必要な事項を書いてくれる医師もいますし、施設によっては一般の方向けのわかりやすいパンフレットなどを作成している医療機関もあります。
それでも難しい場合は国立がん研究センターのがん情報センターのホームページに、各種がんのわかりやすい解説が記載してありますので、印刷して職場に提出するのも一つの手段です。
職場の中でがんの状況を話すとしたら、誰に伝えたら良いのでしょうか。
もし病気のことを話したくない場合、無理に職場の方に伝える必要はありません。ただ、健康上の理由で職場での何らかの配慮が必要な場合、職場には伝えたほうがいいでしょう。
その際は、業務に関する裁量権を持つ上司(管理監督者)に伝えておくと、状況に応じて治療中の業務のコントロールが可能な場合もあります。
また誰かに相談することによって、精神的に安心できるかもしれません。配慮の有無に関わらず、誰か一人でも病気のことを相談できる相手を見つけられるといいでしょう。
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