病院指標

2.診療科別症例数TOP5の集計方法と定義

急性期入院医療に係る診断群分類別包括評価(DPC)制度における、各診療科別に、DPCコード(*1)、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を示します。
※短期滞在手術等基本料、臓器移植、その他厚生労働大臣が定める患者等、DPC対象外(出来高請求)患者については、集計対象外となります。
 
(*1)診断群分類番号(DPCコード)とは
傷病名、医療行為(検査・処置・手術等)、重症度、副傷病名の有無などにより、14桁で構成される。左6桁が「疾病コード」であり、右8桁が医療行為等で分岐される。
「疾病コード」については「医療資源を最も投入した傷病名」のICD-10コード(*2)により決定される。
 
(*2)ICD-10コードとは
「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(以下「ICD」と略)」とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。 【厚生労働省HP 疾病、傷害及び死因の統計分類より引用】  

3.初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数の集計方法と定義

医療資源を最も投入した傷病名に対するICD10コードが5大がん(胃がん・大腸がん・乳がん・肺がん・肝がん)の各患者について、初発患者はUICC(*1)のTNM(*2)から示される病期分類による患者数を、再発患者は期間内の患者数を示す。
※患者数は延べ患者数(一連の治療期間に入退院を繰り返すなどを行った場合は、入退院を繰り返した回数分カウントを行う)とします。
 
(*1)UICCとは、英名Union for International Cancer Controlの頭文字で、1933年に設立された、世界的な広がりを持つ民間の対がん組織連合を指す。
【UICC日本委員会HP UICCとは?より引用】
 
(*2)TNMとは、(T):原発巣の大きさと浸潤、(N):所属リンパ節への転移状況、(M):遠隔転移の有無の評価を総合的に組み合わせ病期(Stage(*3))を決定する。
 
(*3)病期(Stage)とはがんの進行度を意味し、Stage0からStageⅣまであり、StageⅣが最も進行していることを示す。

4.成人市中肺炎の重症度(*1)別患者数等の集計方法と定義

「入院契機傷病名」又は「医療資源を最も投入した傷病名」にICD-10コードのJ13$~J18$(肺炎球菌肺炎、マイコプラズマ肺炎、気管支肺炎、急性肺炎など)が選択され、かつ、市中肺炎(*2)の患者さんが対象となります。
重症度別患者数、平均在院日数、平均年齢を示します。
 
(*1)肺炎の重症度とは【A-DROP評価指標を用いて判定】
A(Age) : 男性70歳以上、女性75歳以上 D(Dehydration) : BUN 21mg/dl以上または脱水あり
R(Respiration) : SpO₂ 90%以下(PaO₂ 60Torr以下)
O(Orientation) : 意識障害あり
P(Pressure) : 血圧(収縮期)90mmHg以下
※5点満点で、1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点となる。(1項目でも不明の因子がある場合は、「不明」として集計)
 
(*2)市中肺炎とは【普段の社会生活を送っている中で罹患した肺炎を指す】
診療報酬請求における診断群分類14桁(*1)を基に、診療科別に、「DPCコード(*2)」「DPC名称」「症例件数」「平均在院日数(当院)」「平均在院日数(全国)」「転院率」「平均年齢」を集計しています。  

5.脳梗塞の集計方法と定義

医療資源を最も投入した傷病名のICD-10コード I63$(脳梗塞など)の、患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示します。

6.診療科別主要手術の集計方法と定義

診療報酬請求における、手術の点数コード(Kコード)を基に、診療科別で手術件数の多い3術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示します。
※1入院中に複数の手術手技を行った場合も、主たる1手術のみを集計対象とします。
また、輸血関連、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手手術などの軽微な手術については集計対象外とします。

7.その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症)の発生率の集計方法と定義

急性期入院医療に係る診断群分類別包括評価(DPC)をもとに、医療資源を最も投入した傷病名および入院契機病名の同一の有無別に、症例数、発生率を示します。

医療の質指標

1.肺血栓塞栓症の予防対策の実施率の集計方法と定義

集計値は次の式で算出した値とする。
(分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数/肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数)×100
※リスクレベルが「中」以上の手術は、「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン(2017 年改訂版)」(日本循環器学会等)に準じて抽出。

2.血液培養2セット実施率の集計方法と定義

集計値は次の式で算出した値とする。
(血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数/血液培養オーダー日数)×100
※特定機能病院におかれては、令和6年10月より「D025基本的検体検査実施料」に包括されている「D018細菌培養同定検査」をEFファイルに出力することとなった。
※当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。

3.広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率の集計方法と定義

集計値は次の式で算出した値とする。
(分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数/広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数)×100
※特定機能病院におかれては、令和6年10月より「D025 基本的検体検査実施料」に包括されている「D018 細菌培養同定検査」をEFファイルに出力することとなった。
※当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。

4.転倒・転落発生率の集計方法と定義

集計値は次の式で算出した値とする。
(転倒・転落の発生件数/入院患者延べ数)×1000
※「医療広告ガイドライン」を踏まえ、算出した値については、対象となった患者の状態等による影響も大きい。
※当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。

5.転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率の集計方法と定義

集計値は次の式で算出した値とする。
(インシデント影響度分類レベル3b以上の転倒・転落の発生件数/入院患者延べ数) ×1000
※「医療広告ガイドライン」を踏まえ、算出した値については、対象となった患者の状態等による影響も大きい。
※当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。

6.手術開始前 1 時間以内の予防的抗菌薬投与率の集計方法と定義

集計値は次の式で算出した値とする。
(分母のうち、手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数/全身麻酔手術で、予防的抗菌薬投与が実施された手術件数)×100
※当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。

7.d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率の集計方法と定義

集計値は次の式で算出した値とする。
(除外条件に該当する患者を除いた褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡)の新規発生患者数/除外条件に該当する患者を除いた入院患者延べ数)×100
【除外条件(分母)】
①同一の日に入院及び退院した患者
②入院時刻から24時間以内に発生した褥瘡(d1,d2,D3,D4,D5,DTI,U)を持つ患者
③入院時既に褥瘡(d1,d2,D3,D4,D5,DTI,U)のいずれかの褥瘡保有が記録されていた患者
④調査対象期間より前に褥瘡(d1,d2,D3,D4,D5,DTI,U)の院内発生が確認され、継続して入院している患者
※「医療広告ガイドライン」を踏まえ、算出した値については、対象となった患者の状態等による影響も大きい。
※当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。

8.65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合の集計方法と定義

集計値は次の式で算出した値とする。
(分母のうち、入院後48時間以内に栄養アセスメントが実施された患者数/65歳以上の退院患者数)×100
※当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。

9.身体的拘束の実施率の集計方法と定義

集計値は次の式で算出した値とする。
(分母のうち、身体的拘束日数の総和/退院患者の在院日数の総和)×100
※当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。


その他の医療の質を示す指標(QI)