JCI基準に則った安全重点項目指標(QI)

当院では病院全体で取り組む安全重点項目として、毎年度3つの項目を定めています。
これらは当院が2015年12月に取得したJCI(Joint Commission International)認証で求められる基準の一部であり、安全な医療の提供のためには必要不可欠なものとして、患者さんにもご協力をお願いしている部分もあります。
これらの取り組みの成果は、四半期ごとに病院長から本学理事長が出席する会議へも報告され、組織を上げて改善に取り組んでおります。
患者誤認は、重大な医療事故に繋がる恐れのある行為であり、医療の現場においてご本人確認はとても重要です。
当院では、ケアを行う前に患者さんにフルネームと生月日をお伺いして患者さんを特定し、それを病院側の媒体と照合する形でご本人確認を行って患者誤認を防止しています。
さらに、その実施状況を定期的にモニタリングすることで継続的な実施と改善を促しています。
手指衛生は感染を予防するために、最も簡単で最も重要な方法です。
我が国の医療施設では、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)やVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)などを原因とした医療関連感染症が長らく問題となっています。感染を引き起こす要因のひとつに、医療従事者の処置を通じて発生する手を介した伝播があります。
2019年以降、COVID-19(新型コロナウイルス)感染症が世界的に大流行し、院内でも改めて手指衛生の重要性を見直し、全職員で手指衛生実施に取り組んでいます。2021年度より「手指衛生実施」を病院の安全重点項目として掲げ、各部署で擦式アルコール手指消毒薬の使用目標量を設定し、達成できているか毎月モニタリングして改善に努めています。
転倒転落は、思わぬところで起こり得ます。病気による体力低下など、発生要因は様々ですが、転倒転落によって骨折などが生じた場合は、患者さんのQOL(生活の質)の低下を来し、通院治療にも影響が出ます。転倒転落を完全に防ぐことは困難ですが、その発生を可能な限り防ぐために、リスク要因をしっかり把握し、全力で予防に取り組む必要があります。
リスク要因は大きく「患者さんの状態」「患者さんが受ける医療行為」「医療行為を受けるエリア」に分けられます。現在当院では、「年齢」という「患者さんの状態」に着目し、75歳以上の外来患者さんの転倒転落に関するデータの収集と分析を行っています。分析を進め、より効果的な改善策の推進に努めます。

その他の医療の質を示す指標(QI)