順天堂医院のロボット手術

患者さんへの負担を軽減する低侵襲手術は、小さな傷で行うため、精密な操作が難しいのが欠点でした。
手術支援ロボットの登場により、その難点が克服されました。

ロボット手術とは、ロボットが勝手に行う手術ではありません。
患者さんの体内に細いロボットの腕を挿入し、熟練の医師が
その腕を“遠隔”で操作します。
ロボットの腕には多くの関節があり、人間の手の動きを正確に 再現できます。

私たちは、2025年に年間909件のロボット手術を行いました。
総数のみならず、行える手術の種類も年々増えており
これまでに6226件のロボット手術を行ってまいりました。

順天堂のロボット手術は、その先見性多様性専門性に特徴があります。




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先見性

ロボット手術は新しい技術であるため、従来の手術(開腹、開胸、鏡視下手術)に精通する必要があります。

豊富な手術経験に基づき、私たちは2013年からロボット手術を導入しました。
様々な診療科で、保険適応となる前からその可能性に着目し、ロボット手術を行ってきました。

多様性

安全性・確実性を担保するため、ロボット手術を行うための施設基準が厳しく設定されています。

現在、順天堂医院では9つの診療科で、31種類のロボット手術を受けることができます。
たとえば、大腸と肝臓の手術を同時にロボットで行ったりと、多くの診療科が精通しているからこそ提供できる手術があります。

専門性

ロボット手術を行うために、医師は専門の免許を取得し、監督者(プロクター)の指導を仰ぐ必要があります。

順天堂医院には、27名のプロクター有資格医師が在籍しています。
免許取得の際に、専門施設の手術見学が必要となりますが、当院の呼吸器外科、婦人科、肝・胆・膵外科は
国内でも有数の専門施設に認定されています。

robot_ope_2_202603順天堂医院 ロボット手術件数推移

順天堂医院で受けられるロボット手術


呼吸器外科

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当科では保険収載前にいち早くロボット手術を肺がんの治療に取り入れております。縦隔腫瘍や肺腫瘍に対して、すでに1000例以上の手術を行っています。
従来の胸腔鏡に比べて精度の高い手術、そしてこれまでにはできなかった複雑手術も安全に低侵襲で行えるようになっております。一方でロボットが適さない手術もあり、的確に適応をわけてご説明しております。ご希望の方はぜひとも受診されてください。無料メール相談も承っております!

泌尿器科

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当科では、2013年から導入された最新の手術支援ロボット「da Vinci」を活用し、患者さんに対して低侵襲かつ安全で質の高い医療を提供しています。
私たちは、特に前立腺がん、腎がん、膀胱がん、腎盂がん、尿管がん、副腎腫瘍、腎盂尿管移行部狭窄といった泌尿器科疾患において、保険適用の範囲内で高度なロボット支援手術を実施しています。特に前立腺がんに対するロボット支援腹腔鏡下前立腺摘除術や腎がんに対するロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術で全国的にトップレベルの症例数を誇っています。また、膀胱がん治療においては、開腹手術を避け、腹腔内で行う回腸導管造設や新膀胱の造設が可能です。ロボット手術により傷口が小さくなり、患者さんの痛みも最小限に抑えられます。順天堂医院では、患者さん一人ひとりの病状やご希望に応じた適切な医療を提供するために、引き続き努力を重ねてまいります。患者さんの健康と安心を第一に考えた医療の提供を目指し ています。

婦人科

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当院婦人科は、豊富な腹腔鏡下手術の経験を基盤に、良性疾患から悪性腫瘍まで、適応を厳密に見極めたロボット支援手術を提供しています。
ロボット支援手術は、拡大3D視野と多関節鉗子により、骨盤深部でも精緻な剥離・止血・縫合が可能です。低侵襲手術の特長を活かし、術後の回復や入院期間の短縮につながることが報告されています。
一方で、病状や既往、癒着の程度などによっては、ロボット支援手術が最適でない場合もあります。当院では開腹手術・腹腔鏡手術も含めて最適な術式を提案し、患者さん一人ひとりに合わせた治療方針を丁寧にご説明します。
また当院はロボット支援手術の認定施設として、認定指導医(プロクター)の指導のもと、チーム医療と安全管理を徹底し、高品質な手術を提供しています。

肝・胆・膵外科

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手術が難しい肝臓・胆管・膵臓の病気では、お腹を大きく切り開く手術が一般的でした。
ロボットの登場で、その常識はガラリと変わりました。
私たちは、豊富な手術経験をロボットで活かし、“小さな傷でも病気をきちんと治すこと” を目指しています。
厳格な施設基準をクリアし、肝臓・胆管・膵臓のロボット手術を保険で行うことができます。

食道・胃外科

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胃がん・食道がんに対する鏡視下低侵襲手術は肺合併症や創痛の軽減などの利点があります。
当科では1990年代からの鏡視下手術の経験を活かし、高難度の症例もロボット手術で行っております。
ロボットの最大の利点である手ブレのない精緻な動きにより、更なる低侵襲治療の提供が可能になっております。
根治性を担保した低侵襲手術を行う様心掛けております。
何かございましたら何なりとご相談ください。

大腸・肛門外科

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当科では2015年より大腸がんに対する手術支援ロボット(ロボット手術)を導入し、10年が経過しました。
現在は、ほとんどの直腸がん、また、結腸がんの多くに対してロボット手術を行っています。
また、鼠径ヘルニアに対するロボット手術は2021年に導入しています。ロボット手術による安全な手術手技は、患者さんの体への負担が少ない点で優れていると考えています。

心臓血管外科

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当科では2022年からロボット心臓手術を導入し、僧帽弁閉鎖不全症や三尖弁閉鎖不全症を対象に手術を行っています。
ロボット心臓手術の術者である田端医師は、1500例以上の内視鏡下心臓手術の経験を持つエキスパートで、ロボットなしでも3cmの小さな切開で弁形成術や弁置換術を行っています。ロボットの使用が向いている患者さんと不向きな患者さんがおり、個々の患者さんにとって適切な手術方法を選択しています。
ゴールは患者さんの弁膜症を治して、早期社会復帰と長期の健康寿命を同時に達成することです。

小児外科・小児泌尿生殖器外科

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当科は2017年に国内でいち早く小児外科疾患に対するロボット手術を導入し、国内最多の手術件数を行って参りました。
ロボット手術では、従来の内視鏡手術では実現困難であった繊細で複雑な手術操作が可能であり、手術の確実性・安全性を高めることができます。
これまでに胆道拡張症手術腎盂形成術縦隔腫瘍切除などに対するロボット手術を行っており、国内に留まらず海外においても小児外科ロボット手術のパイオニアとして招待講演・実技指導を行っております。

耳鼻咽喉・頭頸科

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咽喉頭がんに対するロボット支援下の経口的腫瘍切除(以下:ロボット手術)が2022年4月から保険収載され通常の医療保険で行えるようになりましたが、当院ではいち早く2020年よりロボット手術を導入しております。
対象となる主な疾患は中咽頭がんです。ロボット(da Vinchi)の細いアームを口の中に挿入し、3D画像を見ながら細かな手術操作が行えることから、正確かつ安全にがんを摘出することができます。また従来からの頸部を外から切開する方法と比較すると、患者さんへのダメージも少なく済むようになりました。