順天堂大学 - エレクタ連携プロジェクト(概要)
【1】痛みが少ない小線源治療の普及に向けた順天堂医院におけるトレーニング実施支援
小線源治療は子宮頸がんをはじめとする婦人科腫瘍に対する標準放射線治療ですが、痛みを伴う子宮・腟内へのアプリケータ挿入・抜去や頸管拡張等の処置が必要なため、多くの患者さんは不安や苦痛を感じています。順天堂医院 放射線科治療部門では「痛みが少ない」「安心して受けられる」治療として、仙骨ブロック麻酔や、鎮静剤の適正使用など疼痛管理に対する取り組みを積極的に進めています。同時に患者さんが放射線治療を安心して受けて頂けることを目的に「看護外来」を2024年に開設し、放射線治療認定看護師や栄養士を含むスタッフが病状や治療に関する不安を伺い、安心して放射線治療を受けて頂けるよう患者さんに寄り添うサポートを行っています。
このような取り組みは、エレクタが目指す「患者さん一人ひとりにあった個別化医療の実現」と一致することから、本協定に基づき、エレクタでは他の医療機関への普及を目指し、順天堂医院における医療関係者向け小線源治療のトレーニングを実施し、また、順天堂のスタッフが他施設に赴いて、小線源治療を指導することも積極的にサポートしていきます。
【2】 患者経過観察アプリケーションの社会実装
エレクタは、患者経過観察アプリケーションElekta Kaiku(エレクタ カイク)を用いた放射線治療の患者経過観察アプリケーション実証プロジェクトを行っており、順天堂医院の協力のもと、放射線治療を受ける患者さんに対してこの有効性の検証を行っています。
医療現場において、客観的な結果は重要ですが、患者さんがどのように感じているかを含めた「主観的な結果」の重要性も近年注目されており、カイクはそれを効果的かつ効率的に収集することができます。順天堂医院ではエレクタ カイクの実証により、治療中の副作用への早期対応、無用な画像検査の削減、治療後の通院回数の適正化など、より質の高い放射線治療を目指します。
【3】新しい医療技術の研究・開発
今後、高精度かつ質の高い放射線治療をすべての患者さんにお届けするため、順天堂とエレクタは新しい医療技術の研究・開発を進めていきます。なお、研究開発はエレクタ海外本社が中心となり、進めていく予定です。