お知らせ
足の疾患センター

足の疾患センターで新しい創傷治療が始まりました

糖尿病や膠原病のある患者さん、透析療法中の患者さんは、正常な創傷治癒機転が働かず傷が治りにくい場合があります。特に足の傷は治りにくく、1ヶ月以上適正な治療を行っても治らない傷のことを‘難治性潰瘍’と呼びます。足の疾患センターでは難治性足潰瘍に対する2つの新しい治療を2023年8月より開始しました。両方とも保険適応が認められた先進的な治療ですが、施設基準があるほか、詳細な保険適用条件が定められています。治療をご希望の方は足の疾患センターまでお問い合わせください。

  1. ヒト羊膜使用創傷被覆材:エピフィックス®
    ヒト胎盤組織を処理して作成されたシート状の創傷被覆材です。創傷治癒に必要な多くの成長因子やタンパク質を含み、抗炎症作用、血管形成促進、幹細胞動員、瘢痕形成促進などの作用により慢性創傷を治癒に導きます。米国で行われた多くの臨床研究でその安全性と有効性が確認されています。潰瘍の表面の壊死組織を切除した(デブリドマン)後に、エピフィックス®を貼付し、1週間濡らさないように静置します。初回の使用は入院が必要ですが、以後は外来で治療が可能です。
    適応)糖尿病性足潰瘍、慢性静脈不全による足潰瘍

  2. 自己多血小板血漿:PRP
    PRPとは濃度の血小板を含んでいる血漿の総称です。私たちの体に傷ができると血小板が集まってきて、細胞の増殖を調整するサイトカインを放出したり、白血球の数を増したりして組織を修復、再生を促進しています。PRP療法はこの機能を利用して、スポーツ医学や整形外科、歯科、美容外科分野で普及しています。2020年4月からは難治性皮膚潰瘍に対する保険適用が認められ、その安全性・有効性が確立しました。治療方法は、外来で採血を行い、その血液から遠心分離器を用いて4回分のPRPを作成します。1回分は同日に、残り3回は翌週以降週1回、全体で4回投与します。1クール(4回)で治癒しない場合は2クールまでの投与が認められています。
    適応)褥瘡を含む難治性皮膚潰瘍
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