一般病棟における新型コロナウイルス感染症発生のその後の経過に関する最終報告(更新日:2020年9月28日)
7月14日に発生し、同16日、29日にご報告した事例について、最終報告をいたします。
当事例は、8月10日をもちまして、全ての新規発生者がいないことを確認しましたので、8月11日から通常通りの患者受け入れを再開しております。
本件は、発生の都度、感染者と接触があった入院患者と職員に対しPCR検査を実施しつつ、相互の疫学的関係性を詳細に検討しましたが、最終的に9人の感染者を確認いたしました。感染者の内訳は入院患者5人と職員が4人でした。感染した入院患者2人につきましては、原疾患の影響もありお亡くなりになりました。
発端となったのは3件(内、患者2人、職員1人)あり、そのうちの入院患者2人は、入院時に無症状であり、入院後しばらくしてから発病したものと推定されました。また職員1人については他の感染者との疫学的関連がなくまた二次感染者もありませんでしたので、院外で獲得した孤発例と推定されました。
その他の入院患者3人については、保健所や東京都の担当部署の方々に報告をしながら調査を続けました。発端となった入院患者と濃厚接触があった1人については院内での獲得が疑われましたが治療により回復されています。残りの2人については、別の発端となった入院患者と同室ではあったものの、濃厚接触者の定義には該当しておりませんでしたので、感染経路は不明と判定されました。
今後もいっそうの院内感染防止に全力を挙げて努めてまいりますので、何卒ご理解、ご協力のほどお願い申し上げます。
順天堂医院院長 髙橋和久
感染対策室長 堀 賢