ミトコンドリア病遺伝子検査（保険診療）のご案内

順天堂医院臨床検査部では、ミトコンドリア病の診断を目的とした保険適用の遺伝学的検査を受託します。その後、研究に同意されている患者さんについては、難病の診断と治療研究センターが行う研究において、より詳細に解析されます。また、本検査実施にあたっては、各種ガイドライン等を尊守しています。

医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン（平成23年2月策定、令和4年3月改定　日本医学会）
医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス（平成29年4月通知、令和5年3月一部改定　厚生労働省）

ミトコンドリア病とは

ミトコンドリアとは、細胞内小器官のひとつで、ほぼすべての細胞に存在し、重要な役割として、生命活動に必要なエネルギー（ATP）を作り出すはたらきがあります。ミトコンドリア病は、細胞の核と呼ばれるところに存在する核DNAの変化により発症する場合と、ミトコンドリアの中に存在するミトコンドリアDNA（mtDNA)の変化により発症する場合があります。これらの遺伝子の変化によりミトコンドリアの機能が低下することよって、さまざまな症状（けいれんや精神症状、筋力の低下、心筋症、肝臓・腎臓の機能低下、難聴など）があらゆる年齢の方にあらゆる組み合わせで現れます。

検査内容

検査内容	所要日数	容器	採取量	保存方法	保険点数
ミトコンドリア病遺伝子パネルシーケンス核のDNAにコードされた367個の原因遺伝子とmtDNA全周（16.6 kb）を解析	検体受領日から起算して60日以内	EDTA-2Na 採血管	末梢血7mL （最低量2 mL）	冷蔵(2～8℃) 冷凍は不可	8,000点 D006-4

検査対象遺伝子ミトコンドリア病遺伝子パネル

核コードの原因遺伝子367個（表1.）とmtDNA全周16.6kbを含む断片をハイブリダイゼーションキャプチャーによって濃縮し、次世代シーケンサー（NGS）を用いて塩基配列を決定し、参照配列と比較することに塩基配列の異なる部位（バリアント）を調べます。
報告対象は、あらかじめ定めたデータ解析パイプラインで検出された既知のミトコンドリア病関連疾患バリアントのみとし、VUS等については研究同意がある場合のみ別途報告します。

表1.核コードの原因遺伝子リスト（367個）

検査の流れ

各種書類のダウンロード

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