当教室は1966年に日本で初めての小児外科専門診療科として設立され、様々な疾患 (新生児・消化器・肝胆膵・呼吸器・泌尿器・腫瘍など)に対し、専門性が高く、高度な医療を提供しています。2024年の年間手術総数は1,144件と国内最大級であり、当科はその中でも他施設では数の少ない複雑な泌尿器手術や、高難度の手術の割合が大きいことが特長です。
2017年に本邦の小児外科で初めて導入したda Vinciによるロボット支援下手術は年々、増加傾向であり、2024年12月までに胆道拡張症に対する肝管空腸吻合術を30例、腎盂尿管移行部狭窄症に対する腎盂形成術を38例、縦隔腫瘍に対する切除術を6例施行いたしました。ロボット手術の有用性は慎重に判断される必要がありますが、安全に行える症例に対しては積極的に適応を広げております。上記疾患と診断された患者様はご相談ください。
小児腫瘍に対する治療は小児科腫瘍グループ・放射線科・病理診断科との強い連携で行っており、根治性と機能的予後、低侵襲性を考慮した最適な外科治療を追求しています。胎児診断で外科疾患が疑われる症例に関しては、産科との連携により全例に出生前のコンサルテーションを行っており、ご両親の受け入れと出生後の治療が円滑に行える体制を整えております。低出生体重児や心疾患を合併する複雑奇形に対しては新生児科・小児循環器科と連携した集学的治療により、治療成績を向上させております。
今後も引き続き「世界基準の小児外科手術」を行うことができる国内随一の施設として24時間365日の診療体制を維持し、日本の小児・新生児外科医療に貢献して参ります。