治療
腱板断裂はすぐに手術が必要であることは多くありません。断裂の大きさや状態・症状経過に応じて当院での治療の進め方は患者さん一人一人で変わりますが、原則的にまず保存療法を試みることが多いです。疼痛コントロールのための鎮痛薬・注射、さらに筋力・可動域訓練のためのリハビリテーションを行うことによって一定数の患者さんは症状が軽快します。
これらの保存療法で症状改善が不十分な場合は手術が考慮されます。手術は断裂した腱を骨に縫い付ける腱板修復術が一般的で、当院では関節鏡と呼ばれるカメラを使用しこの手術を行っています。肩の周囲に約1cmの創を4、5カ所作るだけで済み、手術侵襲を最小限に抑えることでリハビリをスムーズに行える利点があります。ちなみに重症化してから手術を受ける場合では、他の部位から筋膜を移植する方法や人工関節などの大きな手術(変形性肩関節症の項を参照)が必要になってしまう場合もあります。