女性アスリートは、トレーニングと栄養のバランスが整っていれば、月経異常も怪我も無く「健康な状態」で運動を継続することができます。しかし、トレーニングの量や質が高まったにも関わらず、バランスの良い食事を摂らなかったり、月経がきたりこなかったり、または完全に止まっていたり、疲労骨折や靭帯の損傷、怪我の治りが悪い、などをそのままにしていると、①「利用できるエネルギーの不足」、②「視床下部性の無月経」、③「骨粗鬆症」へとつながり、トレーニングの成果を発揮できないばかりか、アスリートとしてのキャリアを続けることが困難になることもあります。このように女性アスリートが陥りやすい3つの障害を、Female
Athlete Triad(女性アスリートの三主徴)といって、近年問題視されるようになりました。
全ての女性アスリートが健康でかつ長期的に高い競技力を継続できるよう、医学的側面から総合的に支援するために、2014年10月、日本初の女性アスリート外来が設立されました。無月経など女性アスリートの三主徴だけでなく、月経痛やPMS(月経前症候群)等によるコンディション不良、貧血や腰痛、睡眠不足など、さまざまな症状に対応しています。
貧血検査、各種ホルモン検査、体組成、骨密度、超音波検査(婦人科)などの検査と並行して、摂取エネルギーの調整を目的とした公認スポーツ栄養士による栄養指導も行います。検査の結果や症状に応じて、産婦人科、整形外科を中心に、場合によって総合診療科、メンタルクリニック、リハビリテーション科、糖尿病内分泌などと連携を取りながら診療しております。また症状に対する治療ばかりでなく、貧血やケガの予防に関する指導も行っております。
競技レベルは問いませんので、お気軽にご相談ください。詳細は女性アスリート外来のホームページをご覧ください。