血管性腫瘍、脈管奇形について

血管腫と呼ばれるものの中には様々なものがあり、「赤アザ」と呼ばれるものや生まれてすぐ皮膚表面の血管が増えて赤く盛り上がる乳児血管腫と呼ばれるものなどがあります。
皮膚の表面から深いところの血管が変化して異常な固まりになるものは脈管奇形又は血管奇形と呼ばれ、その血管の位置や流れによってさらに細かく分類され、その性状によって治療方針も変わってきます。

血管性腫瘍、脈管奇形の種類

血管性腫瘍

①乳児血管腫(Infantile hemangioma: IH)

旧来:いちご状血管腫(皮下型は海綿状血管腫)
表面が鮮やかな隆起性腫瘤で、特に生後半年くらいまでは急速に増大することもあり注意が必要です。
治療には、レーザー治療、ドライアイス圧抵や血圧を下げる薬の内服などがあり、腫瘤の状況によって治療法を選択していきます。

②先天性血管腫(Congenital hemangioma: CH)

胎生期に増殖ピークを迎えた特殊型
RICH(Rapidly imvoluting congenital hemangioma)‥出生後急速に退縮
NICH(noninvoluting congenital hemangioma)‥増殖傾向を示さない

脈管奇形(血管奇形)の分類

①低流速血管奇形(slow-flow vascular malformation)

a)毛細血管奇形(Capillary malformation: CM)
旧来:単純性血管腫、毛細血管拡張症、被角血管腫など
いわゆる「赤あざ」と言われるもので、加齢に伴って色調が濃くなったり、顔面では肥厚し隆起することもあります。治療は、レーザー治療が主で、状況によって切除術を行う場合もあります。
b)静脈奇形(Venous malformation: VM)
旧来:海綿状血管腫など
皮膚の深いところに血管の固まりが出来る状態で、痛みや重さ・だるさを生じることもあります。 診断にはレントゲンやMRI、エコーといった様々な画像の検査が必要になります。
c)リンパ管奇形(Lymphatic malformation : LM)
嚢胞状、海綿状リンパ管腫
リンパ管の異常により生じるできものにリンパ管腫があり、治療には硬化療法と切除術が行われます。

②高流速血管奇形(fast-flow vascular malformation)


a)動静脈奇形(Arteriovenous malformation: AVM)
b)動静脈瘻(Arteriovenous fistula: AVF)
c)動脈奇形(Arterial malformation: AM)

③混合型血管奇形(complex-combined vascular malformation)

CVM, CLM, LVM, CLVM, AVM-LM, CM-AVM など