突発性難聴の概要

突発性難聴は、文字通り突然起こる難聴であり、朝目が覚めて気づくような難聴と言われています。年間約35000人(人口10万人あたり27.5人)が発症していると推定されています。原因不明の難聴であり、発症早期の診断・治療が重要になります。

突発性難聴の症状

片側の高度な難聴で、前述の通り「突然の難聴、朝目が覚めて気づくような難聴」といわれています。難聴の程度が軽度である場合は難聴の自覚症状がなく、耳鳴りや耳の閉塞感(耳がつまった感じ)を自覚されることもあります。また、めまい症状を伴うこともあります。

突発性難聴の検査

難聴の評価として聴力検査を行います。聴力検査で突発性難聴の診断基準に相当する難聴の所見が得られるか、難聴の程度を確認します。また、歪成分耳音響放射検査(DPOAE)という聴力の客観的な評価を行うこともあります。めまい症状がある場合には眼振を評価する検査を行います。
さらに、聴神経腫瘍など、聴力低下を引き起こすような頭の中の病変を否定するために、頭のMRI検査も行うことがあります。

突発性難聴

突発性難聴の治療

突発性難聴に対してはこれまで様々なアプローチによる研究が行われてきましたが、その病態はいまだに不明で、効果的な治療法も確立されておりません。
現状では、一般的にはステロイド剤の投与が治療として行われており、当院でも経口ステロイドによる加療を行っています。ステロイドの投与にリスクがある方(糖尿病に罹患している・高齢であるなど)は入院での治療を行うこともあります。 また、当院では経口ステロイド投与で聴力の改善が得られなかった方やステロイドの内服ができない方には、鼓膜の内側にステロイドを注入するステロイドの鼓室内投与も行っております。
他にも高圧酸素療法という治療方法が選択肢として存在しますが、当院では行っていないため、希望される場合は施行可能な施設へ紹介させていただいております。