『看護外来の開設』昨年12月より、放射線治療を受けるがん患者さんのケアの質向上を目的として、看護外来を新たに開設しました。この外来は、患者さんが抱えるさまざまな悩みや不安に寄り添うための場になることを目的としています。
具体的には、この外来では以下のような支援を行っています。
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放射線皮膚炎に対する専門的な皮膚ケア
- 患者さんの困りごとや治療への不安や悩みごとの相談
- 放射線粘膜炎等で栄養摂取不良の患者さんに栄養士による栄養指導への橋渡し
- 心の負担や家庭の問題に対する支援
看護師が患者さんの声を汲み取り、患者さんが抱えておられる問題の早期発見・早期対応を行うことで、治療の継続に繋げています。患者さんからは、「看護外来のおかげで、治療に対する不安が軽減されました」との声も寄せられています。
本年度は看護外来専用の診察室も整備し、さらなる機能充実を図ることで、患者さんにお気軽に声をかけていただき、より良い支援を提供していきます。
放射線治療を通して、患者さんが直面されている困難な状況を改善することが我々の使命であると考えております。根治的放射線治療では手術の様に切除することなく、臓器の形態・機能を温存しつつがんを治すことができます。術後放射線治療では、手術後の再発を大きく減らすことができます。また、緩和的放射線治療ではがんによるつらい痛みを抑えたり、病変からの出血や管状の臓器(のど、食道、胃、腸、気管など)の狭窄の改善にもお役に立てたりしますので、放射線治療はがん診療に不可欠の治療法であると考えています。多くの患者さんにこういったがん診療における放射線治療のメリットを感じていただけるように放射線診療を提供していきたいと考えています。
本年度も診療・教育・研究の各分野で充実した活動を展開し、がん患者さんの支えとなれるよう、スタッフ一同邁進してまいります。