掲載日:2026.04.08
鹿間直人 (放射線治療学講座 主任教授)
今回は、放射線治療学講座の最近の活動についてご紹介いたします。
診療・研究・教育を進めるうえで、マンパワーと熱意は欠かせません。
私が主任教授に就任して約4年、この間、多くの仲間に支えられながら、当講座は着実に歩みを進めてまいりました。その一端をご報告いたします。
- 「ベスト講座・研究室・診療科賞(佐藤・小川賞)」受賞
当講座では、学生教育を重視し、魅力ある教室づくりに取り組んでいます。通常の講義に加え、実機を用いた放射線治療計画実習、婦人科ファントムを用いた小線源治療実習、喉頭ファイバー実習など、学生が自ら手を動かして学ぶ機会を積極的に取り入れています。
さらに、エビデンスに基づく医療(EBM)の理解を深めるため、模擬症例を用いた演習も行っています。学生自身が治療方針を考え、患者さんへの説明までを含めて議論することで、臨床に近い学びの場を提供しています。
こうした取り組みが評価され、令和8年3月の卒業生謝恩会において「ベスト講座・研究室・診療科賞(佐藤・小川賞)」を受賞することができました。学生からの評価は、教室にとって何よりの励みとなっています。
4年前、本院のスタッフはわずか4名でした。当時は診療と教育に追われ、研究に十分な時間を割くことが難しい状況でした。
その後、村上教授、小此木先任准教授を迎え、教室の体制は大きく変化しました。本学卒業生の入局も増え、教室全体が活性化していきました。
この4年間、入局者が途切れることなく続き、2026年4月には本院だけで12名の体制となりました。さらに附属3病院を含めた診療体制も整い、当講座は国内でも有数の規模へと成長しつつあります。
現在は研究体制の強化にも取り組み、若手研究者が継続的に研究に取り組める環境整備を進めています。小さな研究会から全国学会、そして国際学会へと発表の場を広げていくことを目標としています。
こうした活動の一環として、北欧企業からのご縁により、大阪万博の北欧館(ノルディックサークル)において講演の機会をいただきました。会場では、スウェーデン大使や患者団体、企業関係者に対し、当講座の取り組みを紹介しました。
現在、私たちは患者報告型アウトカム(PRO)に取り組んでいます。患者さん自身が症状や困りごとを入力することで、医療者がより的確に状態を把握できる仕組みです。高齢化の進行と医療人材不足が課題となる中、このような取り組みは医療の質の向上に寄与するものと期待されています。
今後は日本と北欧の連携を通じて、新たな医療のあり方を模索し、社会に還元していきたいと考えています。
放射線治療は、がん医療の中でも進歩の著しい分野です。
今後も診療・研究・教育の三本柱を軸に、患者さんに真に貢献できる医療の実現を目指し、教室員一同取り組んでまいります。