無精子症の診断から手術まで

検査法方法と診断

  • 紹介元の医療機関で無精子症を指摘されていた場合も、当院で遠心分離を用いた詳細な精液検査を実施します。遠心分離を行うことにより、微量な精子を認める場合もあります。
  • 触診、陰嚢超音波検査、FSH値やテストステロン値を含む男性生殖器機能に関連する血液検査を行います。
  • 染色体検査(Gバンド法)、Y染色体微小欠失(AZF)検査を行います。

➡上記検査を経てTESEの適応を確認し手術予定を立てます。手術前には泌尿器科医と胚培養士がミーティングを行い、予測される精細管の状態を共有し、精子を採取できた際の凍結本数等を予め相談します

実際の手術

  • 手術用顕微鏡システムORBEYEを用いて手術を行います。
  • 陰嚢皮膚ならびに精管周囲に局所麻酔薬を適量投与します。麻酔が十分に効いたら手術を開始します。
  • 手術中、助手用のモニターを供覧できるように機材を配置しています。手術の進捗状況、精細管の所見等を適宜執刀医が説明しながら進行していきます。
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  • 精巣は血流が多いため止血操作が重要になります。白膜、漿膜、肉様膜、表皮をそれぞれ丁寧に縫います。表皮周囲はマットレス縫合を行い止血します。術後は翌朝まで陰嚢を圧迫し、後出血を予防します。

精子採取に関して

  • 手術中に採取した精細管は即座に培養室に運び、胚培養士により観察が開始されます。
  • 結果は当日夕方頃までに判明します。

術後について

  • 1~2週間後に外来再診があります。
  • 抜糸、採血(テストステロン値等のフォローアップ)、病理結果説明などを行います。