手術の方法
ロボット支援腹腔鏡下腎尿管摘除術(RARN) または 腹腔鏡下腎尿管摘除術
腎尿管摘除術は古くは開腹手術で行われ来ましたが、現在では低侵襲かつ安全性の高い手術を目的にロボット(DaVinci)や腹腔鏡を用いて手術を行っております。
ロボットを用いる術式をロボット支援腹腔鏡下腎尿管摘除術(RARN)といい、2022年4月から保険適用となりました。順天堂医院では従来の腹腔鏡下腎尿管摘除術に加えて、いち早くRARNも導入しております。そのため、都内でも有数の症例数を経験しております。
手術方法はロボット(DaVinci)を用いたRARNも従来の腹腔鏡下手術でも大きく違いはありません。
手術は全身麻酔をかけた後、横向きに体位を取ってから開始されます。(横向きの体位を側臥位と呼びます)。腹部に内視鏡用トロッカーポートを5本留置して、各ポートから内視鏡や手術器具をいれて手術を進めていきます。腎臓周囲を剥離し、腎動脈、腎静脈という太い血管にクリップをかけて腎臓の遊離がひとまず終了します。
続いて尿管の剥離、膀胱の部分切除に移行します。尿管は腎臓の位置から下腹部まで約12cm縦に伸びていますので、まず腎臓を遊離した後に下腹部側(足側)に術野を移して、下部尿管から膀胱の周りを遊離する必要があります。そのため、先ほどのトロッカーポートとは別に下腹部の外側に斜めに皮膚を10cm程度切開をおく必要があります。(下腹部斜切開と呼びます)
尿管は膀胱とつながっていますので、つながっている部分を切断し、膀胱に糸をかけて修復します。膀胱を縫った部分がきちんと縫合されているかを確認し、ドレーンを留置して、傷をきれいに縫って手術終了となります。
※腎盂尿管がんの位置、患者様の年齢、合併症によっては下腹部斜切開をおかずに内視鏡操作のみで手術可能な場合もあります。詳しくは手術説明の際に説明いたします。